法学部長 高田 篤
はじめに
![]() |
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。法学部長の高田篤です。皆さんが追手門学院大学法学部の一員となり、新たな学びの第一歩を踏み出されることを、心から嬉しく思います。
本学法学部は2023年に設立され、今年で3年目を迎えます。先輩たちは、ゼロから学びや学生生活を築き上げ、法学部の環境を整え、伝統をつくりつつあります。そして今日からは、皆さんがその流れを受け継ぎ、新たな歴史を刻む番です。
1 法学部での学び
大学での学びは、高校までとは大きく異なります。ただ知識を覚えるだけでなく、社会や世界の変化を捉え、それに対応できる力を養うことが求められます。法学の特徴は、憲法・民法・刑法など多様な法分野の具体的な問題を学ぶことが、そのまま法体系全体の理解へとつながる点にあります。その過程で、個別の事象を深く分析する力と、全体を見渡し体系的に考える力の両方が鍛えられます。
また、法は時代とともに変化するものです。今日の常識が明日には変わることも数多くあります。そのため、単に現行の法を知るだけでなく、「なぜその法が重要なのか」「どのように変化してきたのか、今後どう変わるのか」といった、客観的かつ相対的な視点を持つことが重要です。
こうした力を養うため、本学法学部では、大講義だけでなく、1年生から4年生まで各学年に応じた少人数制の「ゼミ」を設けています。先生や仲間と議論しながら学ぶことで、実践的で総合的な思考力を養うことができます。こうした充実した少人数教育を提供する法学部は多くはありません。本法学部で培った実践的で総合的な思考力は、卒業後も社会で活かせる、一生ものの財産となるでしょう。
2 課外での学びと目標の達成
大学での学びは、一生ものの知的基盤を築くことに加え、具体的な目標達成の手段としても重要です。例えば、司法試験、公務員試験、各種資格試験を目指す人にとって、受験勉強は不可欠です。本学では、講義・ゼミに加え、課外での学習機会も豊富に用意しています。本日のオリエンテーションでも詳しく紹介されるので、ぜひ活用してください。
その際、特に難しい試験の合格には、学部で培う思考力も不可欠だということを忘れないでください。また、試験の合格は大きな成果ですが、そこがゴールではありません。合格後にどのように社会で活躍するかが肝心です。そのとき、皆さんを支えるのは、学部で培った思考力や経験です。試験合格に向けた勉強だけではなく、長期的な視野を持って、さまざまなことに積極的に取り組んでください。
3 学部の「伝統」と自分自身を形作る
本学法学部はまだ若く、伝統を築いている最中です。先輩たちは、ゼロから挑戦し、成果を積み上げてきました。しかし、伝統はまだ完成されていません。
皆さんは「3期生」として、この新しい法学部の歴史をさらに発展させる役割を担っています。これは、他の歴史ある法学部にはない、自由に新しい文化を創り出せる貴重な機会です。そして、授業、課外活動、さまざまな場面で主体的に行動し、充実した学生生活を送りながら、自分自身を形作ってください。
おわりに
大学生活では、学問だけでなく、多くの新しい出会いや経験が待っています。時には困難に直面することもあるでしょう。しかし、それを乗り越えることでこそ、成長が生まれます。私たち教員は、皆さんの挑戦を全力でサポートし、ともに歩んでいきます。
3年目を迎えた本学法学部は、皆さんとともにさらに発展していくことでしょう。新しい環境の中で多くを学び、充実した大学生活を送ってください。皆さんの成長と活躍を心から楽しみにしています。
(2025年4月1日 新入生オリエンテーションでの学部長挨拶)
■2024年